トランス男性がこの度世界で初めて、議会選挙で勝利を収めた。
関東エリアの中心部に位置する埼玉県入間市の議会選挙で、トランス男性の細田智也さん(25歳)が当選。定数22の同士議員選挙で21位と辛勝ながら当選を果たした。「ギリギリの当選でまだ実感が湧かない」、と喜びを言葉で表した。
細田さんは帝京大学在学中の20歳の時、性同一性障害と診断され、23歳で性適合手術を受けた。その2ヶ月後に戸籍を女性から男性へ変更。学生時代に性同一性障害であることは周囲にカミングアウト済み、大学院で医療修士号を取得した。
この度の議会選挙に関して、細田さんは以下のように述べている。
「最近まで、周りの人たちはまるで性的マイノリティーが周りにいないかのように振舞ってきました。乗り越えなくてはならない多くの壁が目の前にありますが、皆さんの期待に添えるようにと思っています。」
細田さんは任期中、LGBTIの人権のみならず障害者や高齢者の人権も対象に政治活動を行なう予定を立てている。
国内メディアに対して細田さんは、以下のようにメッセージを告げている。
「カミングアウトはスタートラインに立ったに過ぎません。前に一歩踏み出したい人たちの基盤作りを行う時。一人では乗り越えられない壁があります。助け合わなくてはなりません。
友人や同僚、学生時代の友人らが僕のことを支援してくれています。これまでにも多くの厄介事や苦しみもありましたが、一歩一歩前進出来るはずです。人に出会えば出会うほど、考え方が広がるはずです。」
トランスジェンダー当事者が政界に進出するのは、2003年に世田谷区議会議員に当選した上川あやさん(現在4期中)に続き14年ぶりで、国内では2例目となる。
過去を遡ると、1999年にニュージーランド国会議員に任命されたジョージナ・ベイアー(MTF)が世界初のトランスジェンダー議員。同じトランスジェンダー議員でもFTMの議員はこの度の細田さんが世界で初めてとなる。