HIV撲滅に対して重要な一歩を踏み出した米国サンフランシスコ。同都市はHIVが蔓延している都市の一つである。
先日9月1日に発表されたHIV疫学年間報告書の最新号によると、2013年から2015年に亘り、同都市の新規HIV感染者は3分の1減少したとのこと。実数としては、2013年に285人だった罹患者が2015年には99人に。罹患者のうち93%が感染したことを自覚していたとのこと。
感染率の低下に貢献したのは、HIV感染予防薬PrEPを性行為前に服用していたことが大きい。
サンフランシスコ公衆衛生局所長、バーバラ・グラシア氏は以下のように述べている。
「サンフランシスコがHIV撲滅を目指して前進していることを考慮すると、その全体像は好調と言えます。」
しかしながら、感染率の減少はあらゆるコミュニティに該当するわけではない。例えば、アフリカ系アメリカ人男性の感染率は横ばいで、ラテン系男性の感染率も高い状態が続いている。さらに、アフリカ系アメリカ人男性の場合、HIV感染後に亡くなるケースが多い。
また、年齢も要因として考えられる。50歳以上の人が新規罹患者の半数以上を占める。
グラシア所長は以下のように続ける。
「このデータでは重要な乖離が示され、罹患率が低下していない人種グループに対して啓蒙活動を展開する必要があることが確認出来ます。
アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人に対して啓蒙出来なければ、この街からHIVをゼロにすることは出来ません。」
サンフランシスコは、HIVが米国内で1981年に発見された最初の都市の一つに挙げられている。今後、同都市の取り組みにより罹患率の更なる低下につながるのか興味部会ところである。