米国の国立アレルギー感染病研究所(以下NDIAD)によると、既知のHIVタイプの98%を無効にすることが出来る抗体の存在をこの度確認したとのこと。
その抗体はN6と名付けられているが、HIVに感染した人物の体内に弧発している。
研究者らは今回の発見に昂揚している。N6と類似した抗体に対して有効性を示さなかったHIVタイプ20種類のうち16種類に対してN6が有効性を示したからである。
HIVは以前から治療困難なことが証明されている。人間の免疫システムが行う攻撃に対抗するよう、ウィルスの一部が急速に進化を遂げることが出来るからだ。しかしN6の場合、ウィルスの進化しない部分に標的を絞り攻撃を行うためにウィルスに対して有効性を示していると考えられている。
今回の発見により、HIVワクチンの開発に少し近づいたと考えてもいいかもしれない。
NDIAD所長は今回の発見に関して以下の声明を発表している。
「HIVに対して比類ない可能性をもつこの抗体を発見し、抗体の特徴を理解したことにより、HIV感染の予防法、治療法の開発を行う上で新規の重要な先例となることでしょう。」
N6のニュースは、HIV陽性患者の血液サンプル内の97%のHIVを死滅させた新薬の研究をイスラエルの研究者が今月初めに発表した後に続く形となった。
今年10月、イギリスの科学者らはイスラエルとは別の新薬がもたらした将来性のある結果を明らかにした。それによると、ある患者が1ヶ月間新薬を投与されると、体内のHIVが検出出来なくなったというもの。実験を担当した科学者らは、今後数ヶ月以内に実験結果が本当に開発した新薬によるものか判断を下すと述べている。
いまだに多くの国々で男性同性愛者やバイセクシャル男性が絶望的な割合でHIVに罹患し続けている。