ストレートのジャーナリストが、リオ五輪会場でゲイ・クローゼットの運動選手を出会い系アプリGrindrを用いて特定したことで話題沸騰となっている。
デイリー・ビースト紙の五輪取材のため現地入りしたジャーナリスト、ニコ・ハインズは、同性愛者の出会い系アプリ、Grindrを立ち上げ、オリンピック村で自分に声をかけてくるアスリートを特定しようとした。
彼はGrindr以外にも様々なアプリを悪用し、アスリートのプロフィール、国籍や競技種目を記事として掲載した。中には、国内に同性愛嫌悪が蔓延している国から出場した選手も含まれている。
ハインズは3人の選手から直接会うことを求められたが、その一人からエロ画像を要求されたことについて、嘲笑混じりの記事を掲載していた。
Grindrを利用して連絡をとりあった相手には何も嘘をついておらず、妻子がいるという情報を公開しなかったにもかかわらず自身の顔写真を掲載していたと、ハインズは主張している。また、アプリ上で遭遇した選手の多くが、彼の記事内容から容易に特定可能であるにもかかわらず、記事上では名前を出していない。
ハインズの記事に対し読者は、彼の行為を同性愛嫌悪的、無責任、非誠実だと怒りを露に反応している。
デイリー・ビースト紙の編集長、ジョン・アバロン氏は、読者の批判を受けて記事内容の選手の国籍情報を削除した上で、以下のように表明している。
「本紙の五輪特集記事の目的は、リオ五輪で選手がどのようにデートをし出会い系アプリを利用しているのかを明らかにすることでした。ニコ・ハインズの場合、ストレートの人たちの出会いに長けた数々のアプリよりもGrindrの方が反応数が多かったのはまさに偶然で、それを記事にまとめたのです。ストレートの出会いの方が多ければ、それを記事にしていた筈です。今回の記事を掲載する上でニコ・ハインズは、他人になりすました覚えはないし、報酬を提供した覚えはない、お前は誰だと訊ねられたら必ず自分はジャーナリストだ、とすぐに認めていた、と主張しています。
ニコ・ハインズがGrindrを利用している人を嘲笑しているかのように一部の読者様は感じられたようですが、弊社ではそのような記事内容だとは判断していませんでしたが、ご指摘を受けて弊社とは違う観点から解釈されたのかもしれないと理解している次第です。
したがって、当該記事に関しては読者様の懸念を受けて校正を行い、当該記事の原本から想起され不快な想いを抱かれたことに関しては改めてお詫び申し上げます。」